2018/06/18 投稿

長時間労働QA

Q. 長時間残業が心筋梗塞や脳卒中を増やすという証拠はあるのですか?

A. 国際的な研究でこれは確かめられています。最近の研究によれば週55時間労働(月60時間程度の残業です)の人でも40時間労働の人に比べ脳卒中のリスクが30%、心筋梗塞等のリスクが10%以上あがっています。
しかも労働時間が増えれば増えるほどこの危険は上昇することがわかっています。

Q.従業員が50人に満たない小さな企業で産業医を選任していません。100時間以上の残業者から面接指導の申出があったのですがどうすればよろしいでしょうか

A. いくつか方法があります。

  1. 近所の 開業医さんを受診させる方法。ただあまりそういったことには慣れていない先生も多いと思います。また厳密にはこれは保険診療ではありませんので本来実費が取られるはずです(実際は何らかの名目で保険診療にしてくださる先生も多いと思います)。
  2. 地域産業保健センターを利用する方法。無料で面接指導が受けられるのでお勧めです。ただ手続き等がやや面倒であるのと必ずしも希望の日時に面談が取れないこともあることや会社の社内の事情や風土については知らない先生が面談する点に難があります。地域産業保健センター
  3. 顧問医という形で契約をしておく方法。小さな企業であってもこれもお勧めだと思います。産業医契約だけでなく顧問医契約を行っている産業医の先生もおります。月々の顧問料はかかりますが、通常の産業医契約よりは安いですし長時間面談だけでなく、その他企業の衛生面や病気の相談にも乗ってくれるはずです。

Q.長時間残業面談の時に準備する書類はありますか。

A. 医師によってどういった資料が欲しいかは違うと思いますが、次のようなものがあるといいでしょう。

  1. 1か月間の労働時間の記録のうつし:もちろん必要です。
  2. 労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリスト:一般的によくつかわれています。自己診断していただいてもってきていただけると参考になります。PDFダウンロード
  3. 最新の健康診断の結果:長時間残業は脳卒中や心筋梗塞の危険を上げるので面談が必要なのです。一方、その他にリスクをあげるものとしては高血圧・高脂血症・糖尿病等があり、これらは会社の定期健康診断でチェックできます。これらは長時間労働と相乗的に働いて危険を上げますので検査や治療を指示することがあります。
  4. もし労働者が現在医師からの投薬を受けているようであれば、お薬手帳等現在の治療状態や結果がわかるもの

Q.面接指導の結果やそれに伴う医師の意見についての保存はどうすればいいですか

A. 社内に 5年間の保存義務があります。担当者は決めておいた方がいいでしょう。

Q.参考になるような資料はありますか

A. 以下をご覧ください。1は厚生労働省が出しているパンフレットです。2はもっと詳細に書かれています

1厚生労働省PDF
2厚生労働省PDF

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