2019/08/04 投稿

産業医活動の優先順位について(下)

前回の続きです。
2019年の4月日本医師会が発表した手引きの中にある産業医活動の優先順位です。

順位の3番目に来るのは産業医自身がやらなくていい部分が含まれており、職場内外のスタッフの協力を得て行う業務です。
11個の業務が挙げられています。
この中で10番の保健指導は近年産業医業務で非常に大きな部分を占め産業医の負担過多の原因になっているとされています。
ここを保健師等にやっていただくことが重要だと思います。
また11番~13番の健康診断・ストレスチェックは今でも外部の機関が行っているところが多いと思います。
14番、15番の結果保存は会社の義務です。
16番~20番までは作業環境測定士、衛生管理者、保健師、公認心理師等産業保健スタッフの力を借りて行います

  1. 健康診断結果に基づき労働者の保健指導を行うこと
  2. 健康診断を実施すること
  3. ストレスチェックを実施すること
  4. ストレスチェックの結果に基づき集団分析を行うこと
  5. 健康診断の問診や診察等の医療記録を保存すること
  6. 面接指導の記録を保存すること
  7. 作業環境測定の結果を確認し、職場環境改善に関する意見を述べること
  8. 職場や作業の快適化に関して助言すること
  9. その他の健康管理・健康相談・健康の保持増進
  10. 労働衛生教育を行うこと
  11. 健康教育その他健康の保持増進活動を行うこと

 

4番目に来るのが規定はないが、事業者が期待する業務で、そこには6つの業務が挙げられています。
逆に言うとこれらのニーズは非常に高い。
特に21番に属する職場復帰のための面談を的確に行うことは法令には書かれていないのですがきわめて重要です

  1. 職場復帰の可否を判断し、職場復帰支援プランを作成すること
  2. 事業場に滞在している時に発生した傷病者の救急措置を行うこと
  3. 運転業務等の特殊業務に従事する労働者の就労適性を診断すること
  4. 感染症の予防や拡大を防止すること
  5. 危険有害要因にリスクアセスメントに関して助言すること
  6. 緊急事態における地域医療システムとの連携に関して助言すること

 

そして最後に一般に産業医の職務でないものが挙げられています。
これらは避けるべき、または別の契約を作って行うべき業務です。
特に27番の保険診療に関しては、社内に診療所があるところではそこで保険診療を行っている企業は多いのですが、医療と産業保健は分離していこうという流れが主流です。
また企業の顧客や、別企業例えば子会社等、健康保険組合などでの活動は別の契約が必要になると考えられます。

  1. 事業場において患者の保険診療を行うこと
  2. 事業場の顧客に対して、疾病の予防や治療を行うこと
  3. 医療保険者による保健事業(特定健康診査、データヘルス活動等)を行うこと
  4. 産業医契約を結んでいない企業において産業医の職務を行うこと
  5. 労働衛生関連の訴訟に関して助言すること
  6. 採用の可否判定を行うこと

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