2018/09/17 投稿

労働者の心身情報の取り扱い

労働者の心身の状態に関する情報は、非常にプライバシー性の高い情報も多いため慎重に扱わなければいけません。 一方で会社には労働者の健康を確保する義務があるため心身情報を収集することも求められています。 その取扱いについて厚生労働省が指針を発表しました。2019年4月1日までにこれにのっとった規程の作成ならびに運用がすべての企業や個人経営者に求められることになります。

まず取り扱う情報を3種類に分けます。下に行くほど取り扱いが厳しくなります

1.法令に基づき本人の同意を得ずに会社が直接扱うもの。

例としては健康診断受診の有無、ストレスチェックの結果高ストレスと判断されたものからの医師面談の申し出、健康診断や長時間労働者について医師(産業医)が面談したのち、その医師から会社に出された意見。などです

2.法令に基づき本人の同意を得ずに会社が収集することは可能であるが、担当者や取り扱い規程等を定めて運用するべきもの。

例としては法定健康診断の結果そのもの、長時間労働者に対する医師の面接指導の結果などです(面接指導後の医師から聞き取った意見は1の情報ですが、面接指導の結果そのものは2の情報です。これらはたとえば産業医、保健師、衛生管理者のみが取り扱うこととするのが望ましいと思います

3.本人の同意なしには会社が持つことができない情報

人間ドックの結果や保健指導の結果、通院情報、産業医との健康相談や復職面談の結果などです。これらも産業医や保健師等のみに取り扱わせるのが適当であると考えられます。

これらの情報を分けたうえで次の9つについて定める必要があります。 そしてこの取扱規程を労働者に周知させなければいけない必要があります。

  1. 情報を取り扱う目的と取り扱い方法
  2. 誰が取り扱うのか、権限、情報の範囲
  3. 情報を取り扱う目的等の周知方法、本人同意の取得方法
  4. 情報の適正管理の方法
  5. 情報の開示・訂正・使用停止の方法
  6. 情報の第三者提供の方法
  7. 事業承継等にともなう情報の引き継ぎ事項
  8. 苦情処理
  9. 労働者への周知の方法

まだ標準的な規定についてのひな型はできていませんがそのうちに発表されるものかと思います。
詳しくは以下のリンクをご覧ください。
「労働者の心身の状態に関する情報の適正な取扱いのために事業者が講ずべき措置に関する指針」を公表します|報道発表資料|厚生労働省

産業医をお探しの方は お気軽にお問い合わせ ください。
今なら「介護と仕事の両立を支援するガイドブック」を無料でプレゼント!