2018/06/02 投稿

健康診断でみるべきポイント(貧血)

定期健康診断において貧血も問題になります。

貧血というのは血液中の赤血球が少ない状態です。具体的にHb(ヘモグロビンと読みます。糖尿病の検査に用いるHbA1Cヘモグロビンエーワンシーとは別物です)やRBC(赤血球のことです)と言われる数字が低下します。赤血球は肺から取り込んだ酸素を全身に運ぶ役目をしているので赤血球が少なくなると全身の臓器に影響が生じます。
典型的なのは体を動かしたときの息切れですが、その他にも脳に影響が生じます。
そのため貧血のある方は作業能率が落ちたり、ミスが多くなったりすると言われています。しかも本人はこの作業レベルの低下にまず気が付きません。ですからこの貧血は会社全体として取り組むべき課題なのです。

貧血にも色々な原因があり、なかには専門的な医療が必要なものもあります。しかし一番多いのは月経にともなう貧血です。鉄が足りなくなることから鉄欠乏性貧血といいます。これは治療が必要な状態であり、食生活の改善やサプリでは改善は難しいのです。一日当たりサプリメントの10倍以上の鉄が含まれる鉄剤を飲む治療が一般的です。治療期間は数か月ですが人によっては閉経まで数年ごとに治療が必要になる場合があります。

また、婦人科的治療で改善することがあります。特に月経の量が最近増えている人は子宮筋腫など婦人科系疾患の可能性があるため受診をしましょう。

一方男性、特に中年以降の男性や閉経後の女性で貧血がある場合、一番気を付けなければいけないのは大腸がんの可能性です。大腸にある癌からじわじわ出血していても便の色に紛れて気が付かないことがあるのです。
いずれにせよ貧血が指摘された従業員には医療機関を受診してもらうよう会社は強く勧めるべきだと思います。

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