2022/12/19 投稿

科学的根拠に基づく5つのがん検診

従業員が元気に働き続けるためには、がん検診はとても大切です。
がんは日本人の死因第1位で、2人に1人は人生のどこかでがんになると言われています。
しかも、働き盛りの40代後半からがん死亡数が急速に増えることがわかっています。

がん罹患数の順位は、男性では
1位 前立腺
2位 大腸
3位 胃
4位 肺
5位 肝臓、

女性では、
1位 乳房
2位 大腸
3位 肺
4位 胃
5位 子宮
となっています(2019年国立がん研究センター調べ)。
がんは何と言っても早期発見・早期治療が大切です。
が、人間ドッグのチラシなどを見るといろんながん検診が選べるようになっていて、いったいどの検査を受けたらいいのかわからない、あれもこれも受けた方がいいのかと不安に感じる方もいらっしゃることでしょう。

国立がん研究センターは2021年に『「がん検診」これから受ける検査のこと』を発表し、がん死亡率の減少につながったと科学的に認められた、科学的根拠に基づく5つのがん検診を推奨しています。
今回はこちらをご紹介します。

①科学的根拠に基づく「胃がん」検診

「胃部X線検査(バリウム)」と「胃内視鏡検査(胃カメラ)」のみが推奨されています。
50歳以上の方が、毎年定期的に受診することを勧めています。

②科学的根拠に基づく「肺がん」検診

「胸部X線検査」と、「喀痰細胞診(喫煙者のみ)」を組み合わせた方法のみを推奨しています。
胸部X線検査は、40歳以上に推奨されています。
喀痰細胞診は、50歳以上で、喫煙指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が600以上の人が対象です。過去に喫煙していた方も対象になります。

毎年定期的に受診することを勧めています。

③科学的根拠に基づく「大腸がん」検診

「便潜血検査」を推奨しています。これは2日分の便を採取し、便に混じった血液を検出する検査で、40歳以上の方が、毎年定期的に受診することを勧めています。

私の個人的な考えでは、大腸内視鏡検査を1回は受診することをお勧めします。

④科学的根拠に基づく「子宮頸がん」検診

「細胞診」のみを推奨しています。
これは子宮頸部の細胞を採り、異常な細胞を顕微鏡で調べる検査です。

20歳以上の女性が、2年に一回受診することを勧めています。

⑤科学的根拠に基づく「乳がん」検診

「乳房X線検査(マンモグラフィ)」のみを推奨しています。
40歳以上の女性が、2年に一回受診することを勧めています。

 

国立がん研究センターのウェブサイト「がん情報サービス」には以上の内容をはじめとしたがんに関する科学的に正しい情報を、わかりやすく掲載しています。詳しくはこちらをご覧ください。

最後に大切なことをお話しします。
健康情報は非常に機微な個人情報にあたります。
がん検診は定期健診とは違い、法令で定められていない健診であり、本人の同意がない限り会社ががん検診の結果を収集することはできません。
会社が健康情報を収集するためには、「健康情報等の取扱規程」を作成したうえで、正しい手順で行わなければなりません。
厚生労働省のガイドラインをご参照ください。

産業医をお探しの方は お気軽にお問い合わせ ください。
今なら「介護と仕事の両立を支援するガイドブック」を無料でプレゼント!