2018/12/09 投稿

働く女性の健康問題に関する4つのポイント

前回は妊婦について述べました。次は一般的な働く女性について述べます。

現状として女性は出産・育児を機に30歳前後で仕事を離れ、またそれが一段落したところで戻ってくる、いわゆるM字カーブ現象(就業率を年齢別にグラフにするとその年齢だけがくっと就業率が落ちる現象)があることが知られています。
ただM字の底が年々浅くなっており、すなわちこれは出産育児をしながらも働く女性が増えていることを示します。それによる女性特有の健康問題も。

ここではいくつかのポイントをあげます
① 女性は今なお男性に比べ、家事・育児にかける時間が長い。平均的に見ると男性に比べ1日1-2時間程度はこれらにかける時間が長くなっています。すなわち会社では同じ時間の労働であったとしても女性のほうが休息に使える時間等が少ない、より注意してケアしなければならないこと。
② ハラスメント(セクシャルハラスメント・パワーハラスメント)を受けていると感じる女性は男性が思っているよりはるかに多く、実際受けているだろうと考えられること。また職場での人間関係がストレスであるという女性は男性より多いこと
③ さらにうつ病になるリスクは女性のほうが約2倍とする報告もあり、メンタル面でのケアが重要であることと
④ 一方、職場外の資源、すなわち近所づきあいとか友人とか家族づきあいとかで悩みを聞いてもらえると答える割合は女性に多いこと

このことからは女性従業員のメンタル不調については衛生担当スタッフは十分にこころを配るとともに、ハラスメントの訴えについても「気のせいだ」などと一蹴せずきちんと調査をすることが必要です。また周囲に愚痴をこぼせたり話を聞いてくれる人がいるかどうかを聞いておくことは大事です。

次に月経について述べます。
最近はようやく月経についても語られることが多くなってきました。
月経は月経痛により作業能率が落ちるだけでなく本人も極めてつらいのです。
そのため労働基準法で、本人が申請した場合生理休暇を与えなければならないことが定められています。
また月経前症候群と言って月経前のイライラ感などの精神症状、のぼせなどの自律神経症状がつらいこともあります。
いずれも婦人科の治療により軽くなるのですが、恥ずかしさからか受診しない女性も多いのです。
男性から言うと抵抗もある可能性がありますので女性の先輩や保健師などが相談に乗るのが望ましいかと思っています。

最後に。
前回妊娠中の女性について述べましたが、あらゆる女性に関して禁止されている業務も多く存在します。
具体例としては30kg以上のものを取り扱う業務や、ある種の有害物を取り扱う業務などです。
これらは法令で決まっておりますし数年に一度程度は変更がありますので厚生労働省令に注意しておくことが望まれます。

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