2020/01/27 投稿

メンタル障害の方が復職するときのリワークの種類

メンタル障害(うつや適応障害)で休職されていた方が復職するときにリワークという方法があることは知られてきました。

体調がよくなって日常生活ができるようになったとしても、仕事をするということはもう一段ハードルの高い作業です。
リワークとはその間を埋めて、再休職を防ぐというための数か月間の復職前プログラムです。
経済産業省の健康経営度調査においてもリワークのシステムが整っているかどうかが調査されており、大企業だと大体3割程度が制度化しているようです。

しかし、一口にリワークといっても様々な種類があるのでまとめて紹介します。

 

医療機関が行う精神科リワーク

これは治療の一環として行われます。
医療機関によって様々なプログラムが行われています。
かかわる人も医師、看護師の他、作業療法士、心理職など多くの職種です。

費用面で言うと医療ですので、治療費がかかりますが、健康保険や自立支援医療証などが使えます

問題点としては

  1. 施設によってリワーク内容がまちまちであること
  2. 東京などには数が多いのですが地域によっては少ないこと
  3. ほとんどの施設では精神科の主治医をその施設の主治医に変更することが必要であり従業員によっては抵抗を示すこと

代表的な業界団体に

日本うつ病リワーク協会
http://www.utsu-rework.org/index.html

がありここで施設等を検索することができます。

 

地域障害者職業センターによる職場復帰支援

これは障害者雇用促進法に基づいて設置されている公的機関によるプログラムです。

法律により各県に少なくとも1か所ずつセンターが置かれています。
東京だと上野と立川に1か所ずつです。

開始前に本人・事業主・主治医の3者の同意が必要で利用料は無料です。
リワークのみを行う施設であるので主治医の変更は必要ありません。

最大のメリットは無料であることと必ず都道府県に1か所はあることですが、
欠点としては始まるまでに時間がかかるケースが多いこと、住所によっては施設までが遠すぎること、リワークとしては強度が弱いこともままあることがあります。

申し込み、相談は住んでいるところの地域障害者福祉センターです。
http://www.jeed.or.jp/location/chiiki/index.html

 

障害者総合支援福祉法による民間リワーク

障害者総合支援福祉法はもともと障害者で無職の方が一般企業への就労を希望する場合に使われる制度でした。

しかしながら平成29年より、リワークに関しても企業や医療機関での復職支援が見込めない場合、市区町村の判断により使えるようになっています。
相談先としてはリワークを受けたい民間リワーク機関に相談することがおすすめですが、住んでいるところの市区町村役所に電話して障害福祉窓口に電話していただいても丁寧に教えてくれると思います。

必要となるものは市町村が出す「障害福祉サービス証」です。
「主治医の診断書」(自立支援医療証または精神障害者福祉手帳を持っている場合は不要)、とサービスを提供してくれる民間事業者(特定相談支援事業者といいます)の「サービス等利用計画案」を提出すると1か月程度で「障害福祉サービス証」が発行されてリワークが始まります。

通常主治医の変更は必要ありません(必要なところもあります)
負担額は所得に応じ無料から月額4万円弱です。
特徴として民間事業者であるので質が結構ばらばらであったり、提供する社長や担当者の思いが強く出ることがあります。

これは利点にも、欠点にもなります。
他に欠点としては、事業者が近くになかったり「障害福祉サービス証」の発行が自治体によりかなり厳しい要件であったりすることがあります。

 

リワークを会社契約して個人が利用できる民間機関

最近こういった機関も増えています。
休職者が出た段階で会社と契約し、一人当たりで会社が払います。
費用は会社の負担なので本人にはお金がかからないことが多いと思います。

私の経験上は、休職した段階では会社はこういった機関の存在を知りません。
民間機関ですので質のばらつきはあります。
契約するかどうかは会社が決めることです。
ご自分でそういった機関を探し出せば会社に相談しましょう

 

大手の会社だと自分のところで独自のリワークプログラムを作っているところもあります。

この場合会社のリワークプログラムが優先されることが多いのです。
休職するときに説明があるはずなのでそれに従いましょう

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