2019/06/23 投稿

産業医が行う措置の5分類

産業医は健康診断や面談の結果、従業員の就業禁止や配置転換などの措置を会社に意見することがあります。

これについては藤野先生らの研究で5つに分類されておりますので今回はそれを紹介します(産業衛生学雑誌2012.pp267-75)。

 

類型1.就業が疾病経過に影響を与える場合の配慮

就業が労働者の健康を害する危険がある場合の措置です。
例えば心臓が悪い従業員に激しい肉体労働をさせる、などです。
メンタル不調者に対する配置転換などもこれです。

 

類型2.事故・公衆災害リスクの予防

病気に伴って発生する可能性が高くなる事故を予防する目的です。
例えばしばしば意識を失ったり急に眠ってしまう疾患のある方の運転業務を禁止する場合などです。

 

類型3.健康管理

安全衛生法で保健指導実施の義務が課されています。
それの目的です。
例えば重度の糖尿病を放置しいている労働者に残業禁止を適用して受診行動を促したります。

 

類型4.企業・職場への注意喚起、コミュニケーション

職場環境の改善や、管理者・事業者への問題提起として就業制限をかける例です。
これは個人に対する措置なのですが本質は職場そのものに対する介入です。
例えば過重労働が頻発する職場において高血圧の管理が不十分な労働者全員に45時間以上の残業を禁止するなどです。

 

類型5.適性判断

健康上の理由や能力的適性から業務を制限する場合。
例えば計算能力が低い労働者に、その能力を必要とする職場への異動を制限するなどです。

 

いずれにせよ異動を命令する権限は会社にあり産業医は医学的判断に基づいてその意見を述べるにすぎません。
意見に疑問がある場合などは会社は遠慮なく産業医に聞いてください。

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