2019/05/22 投稿

副業解禁と健康リスク

働き方改革として労働時間の削減のための色々な法案が実行され始めています。

残業時間の規制や有給休暇を取らせなければならなくなったこと等々です。
そして改革はさらに進み現在は副業の在り方についてがいよいよ問題となってきています。

従来は副業禁止を会社の規定に盛り込んでいました。
そのためいわゆるダブルワーカーは会社にこっそりコンビニでバイトをするなどの方法を取っていた場合が多いと思います。
しかしこれからはむしろ国が副業を推し進めようという方向です。
これはせっかく短くした労働時間を長くする方向に働くのでマイナスの面も大きいのですがやむを得ないのかもしれません。

 

現状で問題点は3つほどあります

1.残業時間の通算の問題
2.安全配慮義務の問題
3.社会保険の問題

 

1については、労働時間は週に40時間までと決まっており
それを超えると25%、60時間を超えると50%の割増賃金が発生します。
で、この割増は通算されることになっております、
つまりA社で週35時間働き、週末B社で8時間バイトをしたとすると合計40時間を超えた分、
つまりB社でバイトしたときの3時間は割増賃金を払う必要があるのです。

ですが事実上これが行われているところはありません。
ただ副業が一般的になってくるとこの部分の整備が必須課題です

 

2については過労死の問題から月100時間以上の残業は基本的に禁止になりました。
これは健康管理の問題ですので、副業の場合でもどのくらい合計で働いているかはもともとも会社がきちんと把握、管理しておくべきだろうと思います。

3は省略します。

 

さてそうすると、どのような体制を会社は作っていかないといけないかを考えるのですが、産業医的に言うと健康管理上の問題からは

1)副業は何時から何時までどのような仕事についていく予定かを許可を取って申請すること
2)副業先で残業が生じた場合は報告をさせること
3)会社はこれらの時間を管理し、健康確保のため産業医面談をさせたり、一時的な労働の禁止を命じたり、副業の許可を取り消す可能性があること、を周知徹底させる

などがいいかと思います。

特に副業先と合わせて100時間以上の残業・休日出勤が生じた場合、従業員の過労死のリスクが高くなります
対応が後手に回ってしまうとこうなったときに会社は社会的責任も責任を追及されかねません
大事な従業員の健康を守るため派勿論、会社そのものを守るためにもこれからの副業解禁の議論は注目する必要があります。

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